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床に伏せている間、随分長く眠ったので、たくさん夢を見ることができた。他にできることもなかったので、良い暇つぶしになった。

悪魔も良い夢も半々ほど見たが、案の定内容はほとんど覚えていない。体調不良の時に見る悪夢は独特だ。恐怖で飛び起きたこともあったが、しかし忘れてしまえば、ただのいっときのエンターテイメントだ。

今回は懐かしい人に会う夢も見た。とても良い夢だったと思う。どんな会話をしたかはまるで覚えていないけれど、相手が笑顔だったことだけは記憶に残っている。それだけで、最高の夢だ。

会えるはずのない人に会えるという点においても、やはり眠りは限りなく死に近い行為だ。時間や日付の感覚がなくなるほど、睡眠と覚醒を繰り返した頃、私はある種のトランス状態に入っていたと思う。無意識と有意識の間で、見たい夢の続きを見る、そんな夢を見た記憶がある。

病状が快方に向かうにつれて、睡眠時間も夢を見ることも減っていき、全ての夢の記憶も曖昧になった。明日からはいつも通りの生活が始まる。やはり何事もほどほどが一番だ。

この一週間ほど、生産性のない日々を過ごしてしまったが、悪くない体験をできた。もう会えない人々に長い別れを告げ、また夢のない日常に戻ることにする。